少し削っただけなのに笑ったときに見えるところに銀色の詰め物を入れられてしまったということが患者サイドの不満としてあります。


生活歯に詰める場合のそれぞれの長所短所として
◇レジン充填(歯と同じ色の詰め物)
長所
1.笑っても目立たないため歯との色の差が当分の間は気にならない
2.治療時間は比較的長いが一回の来院治療だけで終わる
3.技工料がかからないためコストパフォーマンスがよい(歯医者サイド)
4.患者受けがよい
5.金属アレルギーに関係しない
短所
1.多孔性のため細菌が繁殖しやすく虫歯になりやすい
2.同じ理由で口臭の原因となることがある
3.歯と歯の間隔の調整がしにくい
4.柔らかいので摩耗に耐えられず減ってくる
5.治療後3年ほどすると変色して汚く見える
◇インレー(銀色のはめ込み式の金属)
長所
1.虫歯になりにくい
2.歯と歯の間隔の調整ができるため食べ物が挟まらないようにできる
3.摩耗しにくい
4.口臭の原因とはならない
短所
1.笑ったときに「ギラリ」と光り見た目が悪い
2.技工作業が入るため最低2回の来院が必要
3.コストパフォーマンスが悪い
4..まれではあるが金属アレルギーがでることがある
5.歯医者の腕によってはたびたびはずれることがあり、放置しておくとますます虫歯が悪化する
6.かみ合わせが極端に高いままにしておくと顎関節症になることがある
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もちろん患者と話し合った上でどちらを選択するかを決めるのが重要なことです。
ただし私の判断基準としてはその患者様の清掃状態、口の中のメンテナンスを調べた上で数年後の虫歯になる頻度を考慮してどちらかを決めます。
とりあえず「笑ったときに見えなくて金属のインレー」が無難といえるでしょう。
レジン充填はよっぽど清掃状態がよく将来においてもあまり虫歯にならないと自信を持って推測できる患者様には行います。
清掃状態が悪い方に口中レジン充填ばかりしてあり数年後によりいっそう虫歯だらけになっている方が多数見受けられるのが現状です。