蓄膿症
蓄膿症(上顎洞炎)は歯由来の症状と間違えやすい症例です。




右上の腫れと痛みで本日初診でいらした患者さんは右上の4,5番が虫歯もなく治療痕もないのに上下に激しく動揺していました。
また、パノラマレントゲンにおいても上顎洞のラインが消失していて4番の歯根部分がはっきりしません。
蓄膿症の手術歴を聞いたところ20年前に左右側とも行ったそうです。
今回は長年慢性でおとなしくしていたものが急性化して症状として表れたもので歯科由来と間違えても仕方がないといえます。
処置は電気メスで腫脹部をわずかに切って排膿させましたが歯根のう胞や歯周病由来のものとは全く違い焦げ茶色で量もコップ一杯はあるのではないかと思われるほど大量でした。
腐敗臭はさほど感じられなかったのですが抗生物質を投与後まずは耳鼻咽喉科への受診をお勧めいたしました。
<追記>
若干の不安を感じ、多摩病院歯科口腔外科の石井宏昭助教授にお聞きしたところ、排膿はコレステリン血漿を含んでいることによる色で上顎洞癌とは違うとの助言が得られました。