歯を抜いたにもかかわらず当日は痛くないのに3日後くらいから夜も眠れないくらいの痛みが出ることがあります。


これは「抜歯後治癒不全(ドライソケット)」というものでほとんどは下顎(下の)大臼歯でたまにみられます。
経験的に総抜歯数のおおよそ5パーセント前後で親不知の抜歯に多く、季節的には猛暑の夏が多いように思われます。
原因は不明となっていますがしっかりとした歯にもかかわらず簡単に抜けてしまい克つあまり出血を伴わない場合が多いと思われます。
このような症例に当院では抗生物質と鎮痛剤を調合したパスタ(軟膏)を抜歯した穴に挿入して痛みと感染予防を防ぎます。
薬臭いもののこのことによって大概の場合は2~3日で症状は改善されます。
ただし先日の患者さんのように1週間以上もたって何の処置も施されず腐敗臭を伴っている場合は問題となります。
腐敗臭を伴うということは細菌感染があるということですからこれは骨髄炎(骨が腐る)に移行する危険性があるのです。
その場合は安静にして充分な抗生物質の投薬とパスタの挿入が必要となります。
万が一発熱を伴うようであれば切開して排膿の必要性があり緊急性(入院の上抗生剤の点滴)を要しますのでお気を付け下さい。