現在の主流はチタンですが写真は18年前に施術したセラミックインプラント
 歯科界はインプラント花盛りです。
 最近、「他の医院で痛みの自覚もない歯を抜歯してインプラントを奨められたが他に良い方法はないのでしょうか?」とセカンドオピニオンを求められる患者さんが多く見られます。


お話を聞くと主訴(痛いなど一番気になるところ)とは違う歯の根尖病巣を指摘され、本来患者さんが要求している歯と違う歯を抜歯してインプラントにしよう、ということだそうです。
撮影レントゲンを見るとたしかにそこには根尖病巣の陰があって治療の必要性があったりしますが、患者さんが求めているのはその歯の隣の温痛(熱いものに沁みる)であって指摘された歯と違います。
早速、むし歯によるものなので抜髄して痛みを止めました。
もちろん、問題の根尖病巣の歯も治療した方がよいのですが、私が診断する限り根管治療で充分治療可能なものでした。
また、脱離ばかり起こしているクラウンなので抜歯してインプラントにしよう、ということもあります。
これは基礎的な技術力不足でした。
最近は再生医療が関心を持たれ何でも歯を抜いてインプラントにという強要が多すぎるようです。
ただでさえ、自費で1本平均30万円もかかる治療なのに目先の利益ばかり追求しているようで同じ職種の歯科医師として残念でなりません。
上記の例でもインプラント以外に保険適用のブリッジなど様々な治療法があります。
歯科医師本人がインプラント最高と信じているのはよいとしても患者さんに他の方法があることを説明し、インプラント治療だけを啓蒙することは歯科医師の恥です。
なんでもかんでも抜歯してインプラントはいけません。
※現在の主流はチタンですが写真は18年前に施術したセラミックインプラント