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「下の前歯が欠けてしまった」とあわてる方がいらっしゃいます。


それはそれはと口腔内を拝見すると歯が欠けたのではなく不潔にしているために多量に貯まった歯石が何かの拍子ではげ落ちた場合がよくあります。
歯石は歯垢の中の細菌自身や細菌の排泄物中のリン酸と唾液中のカルシウムとが化学結合しリン酸カルシウムとなり堅く石灰化したものです。
理論では24時間以内にすべての歯垢を取り除くことを保てば歯石は生じないこととなっていますが実際は難しく多くの方の下顎の前歯部の裏には清潔にしている方でもわずかながらも付着してしまいます。
これが付着して1年ほどであれば白い色で簡単にとれますが長年付着していると歯肉溝からの出血する血液と混じり黒くなり超音波スケーラでも容易に除去しがたいほどの堅さとなります。
除去した歯石を触ってみるとちょうど砂鉄のような感じです。
ここまでくると1回の除石ではとても対応できず歯石除去だけで数回の来院が必要となります。
しかし、歯石を取るだけでどうしてそんなに通院が必要か?との不満の原因でもあります。
付きやすさは個人差が激しいもので全く付いていない方も時たまいらっしゃいますが大概の場合歯石のつきにくい方であっても最低年に1回の歯石除去は必要でしょう。