2007年09月20日

咬耗による知覚過敏

咬耗による知覚過敏
 虫歯でもないのに上下の歯を咬み合わせた時や堅い物を咬んだ時に鋭い痛みを伴うことがあります。
 私も経験ありますがちょうど銀紙を咬んだ時に発生するガルバニー電流(異種電位金属の接触電流)と同様の痛みです。

これは上下の歯の咬耗によりエナメル質がすり減って知覚のある象牙質が露出したことによるものです。
対処法としては軽い順から

1.サホライド(フッ化ジアミン銀)塗布によって象牙細管を閉鎖する。
2.削れた部位だけレジン充填する。
3.臼歯部の場合は象牙質を覆うアンレータイプのカバーをする。
ことで抜髄することなくほぼ解決します。

歯ぎしりが原因のことがほとんどで部位は臼歯部と犬歯が多いでしょう。

虫歯
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2007年07月06日

正露丸は歯痛に効くのか

正露丸
 患者さんが正露丸を詰めたけれど痛みが取れずに観念して来院したとおっしゃいます。
実は正露丸をむし歯の穴に詰めることはむし歯が初期の場合は効くものの、ある時期を過ぎると効かないばかりか激痛となるのが正解といえるでしょう。

 製造元の大幸製薬の効能には

正露丸は虫歯痛にも使われています。
これは、正露丸の主成分の日局木(もく)クレオソートが、歯の鎮痛鎮静や根管の消毒用として使用されているからです。
この場合、正露丸は内服するのではなく、痛みのある虫歯に適量を詰めてお使いください。
ただし、一時的な歯痛止めであって、虫歯そのものを治療する効果はありませんので、歯科医で適切な虫歯治療を行ってください。
※虫歯に対する鎮痛鎮静効果は正露丸のみとなっております、セイロガン糖衣Aには上記の効果はありません。

と記されています。
例の正露丸特有のくさい臭いのもとのクレオソートは歯髄鎮静作用があり確かに初期の虫歯には鎮静作用が効果的です。
すなわち「冷たい水に沁みる、食べた後にうずく」程度には非常に効果的と言えます。
しかし、象牙質のむし歯以上となり急性の歯髄炎や神経が壊死してしまった感染性歯周炎や歯根膜炎まで移行してしまうと錠剤を詰めることによって逆に排膿路を封鎖してしまいそれ以上に痛みが激痛に変わってしまう場合もあります。
以上のことをふまえて初期の痛みの場合は効いたからといってそれを繰り返し、放置すると徐々にむし歯が進行し、正露丸を詰めると逆にそれ以上に痛みが増して激痛となり休み明けに歯科医院に直行ということがあるのでお気を付けください。

虫歯
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2006年11月08日

神経を取った歯をなぜ歯医者は被せたがるのか?

歯根破折
 将来歯が割れて抜かなくてはいけなくなることを危惧するからです。
臼歯の場合、6番の大臼歯は上下とも約60キロもの咬合圧がかかります。

 神経を取ってしまった歯は堅く、もろくなるので取らない方が良いのですが歯髄炎になってしまった場合は仕方がありませんので抜髄となります。
その後、「詰め物ですますか、全部被せるべきか」で歯科医師は悩みます。
なぜなら外側性のため力の関係で割れにくくなるのはよいのですが全部被せてしまうと保険の範囲では審美性が極端に悪くなるからです。
しかし、審美性に(患者受け)にこだわりすぎてインレータイプの詰め物にしてしまうと内側性のため薄い部分なら良いのですが歯根部分が数年後に割れてしまい抜歯となるケースも多々あります。

診断材料は残った歯質の量や性別、体格、噛みしめの習慣などですがある程度の臨床経験が必要と思われます。

虫歯
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2006年06月26日

光重合レジン充填

光重合レジン充填01
 典型的な前歯のコンポジットレジン重合の例です。
この方の場合はウ蝕が歯の間を起点とし大きくなったものですが、歯の裏側からアプローチでき表面のエナメル質を削らずに済んだので比較的仕上げが綺麗にできました。

 右の1番だけのレジン充填ですが、やろうと思えば一度に数本いっぺんにできるもののこの例のように1本づつ充填した方が術者の集中力が途切れない理由から精密に充填できると確信しております。
また、隣接面を綺麗に仕上げる点からも有効でしょう。
ルーズな充填ですとデンタルフロスが入らなかったり、入ったとしても歯と充填物との段差に引っかかってすぐに切れたりしてしまいます。
光重合レジン充填02

虫歯
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2006年05月15日

治療の必要のない着色

mushiba01
 左の例のように茶渋などで治療の必要のない裂溝の着色があります。

 たまに鏡を見て皺の中に黒いラインが見えたためこれは大変と駆け込んできますが実際のところ放置していてもかまいません。
むしろ白い虫歯は進行が非常に早く黒や茶色だったりしないので注意が必要でしょう。

 もっとも逆に上辺だけでは全く見えない虫歯が実はかなり深く進行している例の方が多いので自分で判断せずにかかりつけの歯科医院で一年に一度くらいは定期的に検診すべきでしょう。

虫歯
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2005年06月18日

中学校の歯科検診

一昨日、母校の川崎市立稲田中学校の歯科検診をおこないました。

検診は最近はレジン充填が多く歯質との差がわかりにくいため大変集中力を要し、目が疲れてその日はへとへとになってしまいます。

何せ二日に分けても一日あたり12クラスもの検診をおこなうのですから当然でしょう。

感想としては年々、ひどい虫歯の生徒は減少しつつあると思われます。 やはり欧米並みとは行かないのですが日本人の口腔内への関心も上がっていることを感じました。

また、審美歯科の追求からレジン充填の比率が異常に多いのが近年の傾向です。

ただし、適応を誤っている例が多く数年で咬合面がすり減ってお椀のような形態になっている例が多数の生徒に見られました。

これでは咬合はどんどん下がってしまいかみ合わせが本来のものより低くなってしまっています。

レジン充填は見た目もよく、一本あたり一回の治療ですみ、 かつ技工料が要らないため利益効率が高いため安易に使われすぎる傾向があると感じられます。

もちろん適応によっては良い材料なのですがすり減ってへこんだ大臼歯をいくつもみて歯科医師自身がもっと考えて治療をおこなうべきだなと反省もしました。

 

虫歯
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2005年02月19日

冷温痛診断法


歯髄炎では歯牙の特定が困難である場合が多くあります。

左右の間違いはありませんが歯髄炎では上下、1〜2本隣在歯等すべての歯が痛くなる場合が多いからです。
特にレントゲン診断で特定できない場合は困ります。
そこで「歯根膜診断法」が効果をそうするのですが現時点で自発痛がない場合は使えません。

○解決法

痛みの大概は冷温痛です。
もちろん冷温痛診断は昔からありますが私の方法はもっと確定診断ができるちょっとした工夫がしてあります。

1.冷痛の場合は金属のコップに氷水、温痛の場合はラバーボールに熱湯を用意します。
2.あらかじめシリンジをその中に入れて温度を保ちます。
3.バキュームで吸引しながら隣在歯に当たらないように注意しすべての歯牙に1本づつかけていきます。
4.患者にそれぞれの疼痛の有無を訪ねます。

これでまったくレントゲン上にも出ない壊疽性歯髄炎に対しても歯牙の特定ができるのです。

また、歯根膜診断と併用しもう一度その温度のコッブでゆすいでもらい疼痛がなくなったこと確認するとさらに確定度が強まります。

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2004年12月06日

歯科医院転院の一番の理由(歯髄炎)

「あの歯医者で虫歯を治したにもかかわらず痛くもない歯が逆に痛くてしょうがなくなってしまった。」という話を良く聞きます。またそれが原因でその治療をした歯科医師に対して不信感を抱き私の診療室に転院してくることが度々あります。

しかし、その歯医者さんは決して患者さんを苦しめるために治療したわけではないし、ましてや儲け主義で虫歯のない歯を削ったわけでもないのです。

--------その理由はこんな具合です-----------

虫歯の場合レントゲンでの診断では浅く、歯髄(神経)まである程度の距離があり(2ミリほど)軟化象牙質(虫歯の部分)を除去して金属なりレジン(人工樹脂)を詰めて治療が終わりです。

ところが思ったよりも軟化象牙質が深く、追求していくと神経ギリギリまで虫歯が波及していることがままあります。

そこで歯科医は考えます。「ここで神経を取ってしまった方がいいのだろうか?そうすればその後に患者さんが自発痛に苦しむことはないだろう。」
「しかし、現在自覚症状がないのだからその説明をしても理解に苦しむことだろうし、この歯のためにも取らない方が将来また虫歯になったときに痛みを感じることによってよくある無自覚の虫歯の進行を自覚できる」というわけで「近々しみることがあるが一週間ほどで時期に収まりますよ。」と伝えて金属を入れます。

しかしこのことは歯髄炎という非常強い自発痛が起こり得るリスクを伴っております。

このリスクがあっても神経を残すことは患者さんのためだと自分に言い聞かせて治療を終えます。

これで徐々に冷たい水に対する痛みが取れればそれでよいのですが中にはなにも痛みのなかった歯が治療を行った結果自発痛を生じて夜も眠れぬほどになります。

事前に充分説明を行ったにもかかわらず患者さんはぽっかり忘れて「歯医者にいったのに逆に痛みがでてしまった。あのやぶ医者め!!」となってしまうわけです。

では診断を誤った歯科医師が悪いのでしょうか?

この場合治療条件、歯に対する削るときの刺激、水をかけたり空気をかけたりする刺激、型を取るときの刺激、個人個人の痛みに対する許容度などによって違ってくるのです。

例えば、歯科大学では点状の神経の露髄(神経と虫歯が交通している)場合でさえも大丈夫と教えています。

実際、ケースケースによって違ってくるので私ぐらい経験を積んだ歯医者でも一概に予測することが困難で結局神経を取ることになってしまいます。

患者さんの歯を考えた結果、患者さんの信頼を裏切ることがあるのです。

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2004年10月26日

リ○○○ンのCM

数日前リ○○○ンのCMを見てびっくりしました。
なんと高齢のご婦人がぺろぺろキャンディーを「ガリ!」
しまいには瓶の蓋を歯で抜くではありませんか!

ご注意下さい。あんなことをしたら歯は割れてしまいすぐに歯医者の世話にならなくてはいけなくなってしまいます。
確かに若い頃は堅いものを咬んでも歯が割れることはないと思います。そのときはある程度歯に弾力性があるからです。
ところが年を重ねるに従って歯は堅く、もろくなってきます。
これは歯が「熟する」ことで決して悪いことではないのですがあまり堅いもの→食べ物ではないものを咬めば歯は欠けてしまいます。
残念ながら若い頃とは違います。
当医院にいらっしゃる咬んで歯が欠けてしまった患者さんの原因は
1.梅干しの種の中身を歯で割って食べる趣味?のあるあなた
2.氷を「ガリガリ」と歯で咬むのが好きなあなた
3.CMのように歯で瓶の栓をあけるあなた
4.スパゲッティーのボンゴレに入っているアサリの貝殻を咬んでしまったあなた
上記のものはすべて「食べ物」ではありません。
飴はなめるもの氷だって自然界ではそんなに堅いものは存在しないはずです。まして昔には夏には存在しないものですよね。(江戸時代の将軍以外は)
というわけで歯を大事にするはずの口腔洗浄剤を販売している会社のCMとして誤った表現です。
歯が丈夫ということをアピールするにしてもひどすぎます。

歯が欠ける前に充分ご注意を!!

虫歯
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