2004年11月20日

急性耳下腺炎

再診初診(かつて通っていたが再び不具合が出て来院した)。年は 55歳くらいの女性です。

数日前から右下の臼歯部の冠をを再製している途中の常態で今度は左上の臼歯部7番根尖部が腫れているというが診たところ若干ほっぺたが腫れてはいるが自発痛はないし打診もない。
その歯は、自分が過去に治療していて根尖膿胞はみられないし、しかも困ったことにゴールドクラウンが入ってるのです。
また、レントゲンでは軽い歯槽膿漏程度ではあるものの急性症状を起こすような常態ではなかった。
そこでベリオクリンというテトラサイクリン系の糊剤を歯肉ポケットに挿入し様子をみてもらうことにしました。
ところが翌日来院し、「昨日よりももっと腫れてきたんでかつて通っていた大学病院の口腔外科に行こうと思うんです。」とのこと。
常々「そんなものに負けるものか」という自負があるせいか「大学病院」というフレーズには僕ら開業医はは非常に敏感です。
そこでもう一度よくよく腫脹部位を丹念に調べたところどうやら耳下腺が原因らしいことが分かったのです。
一番判りやすかったのは左右の耳下腺を圧迫することによる触診でした。
また、口腔内は頬粘膜の耳下腺開口部が少しだけですが肥大しエアーで乾燥後もしばらく観察したところ一滴も唾液が出てこないのです。
当然反体側は正常です。
本人はおたふく風邪を経験しているということではあったのですが何かの原因で抗体が消滅していることも考えられなくもないので内科の受診を勧め、抗生剤の投与をしました。
後日来院し、耳鼻科の診断はやはり「耳下腺炎らしい」とのことでした。(このらしいというのもいい加減ではありますが「もっとはっきり診断せい!!」)流行性耳下腺炎のおたふく風邪ではなく原因は分からない耳下腺炎とのこと。いずれにせよ耳鼻科での抗生剤に変更したとのことでした。
ほっと一安心である。
これがもしも同側の上顎の根管治療中だったら、忙しくて考える時間の余裕がなかったら大きな誤診をしていた可能性は高いと思われます。

珍しい症例でした。

投稿者 issinn : 2004年11月20日 19:23 | トラックバック(0)
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